chapter2664:おかしなおかしなおかしな世界

画像おかしなおかしなおかしな世界(1963)
IT'S A MAD, MAD, MAD, MAD WORLD
監督:スタンリー・クレイマー
出演:スペンサー・トレイシー、ミルトン・バール、シド・シーザー


南カリフォルニアの山道を猛スピードで飛ばしていた1台の車が運転を誤り谷へ落下しました。
偶々、通り合わせた4台の車から実業家ラッセル(バール)、歯科医クランプ(シーザー)、コメディ作家ベル(ミッキー・ルーニー)とベンジー(バディ・ハケット)、トラック運転手パイク(ジョナサン・ウィンタース)の5人が事故現場へ様子を見に行きます。
運転していた男(ジミー・デュランテ)はサンタ・ロジータ公園の大きなWの下に35万ドルを埋めてあることを彼ら告げて絶命。
直後にやって来た刑事が何か言い残さなかったかと執拗に問い質したため、男の話が本物だと感じた彼らは口裏を合わせて恍けることに。
その後、5人はラッセルの妻(ドロシー・プロヴァイン)と母親(エセル・マーマン)、クランプの妻(エディ・アダムス)を加えた全員で話し合い、協力してサンタ・ロジータ公園まで入ってみることにします。
ところが、35万ドルという大金の分配方法で意見が合いません。
結局は最初に見つけた者が総取りすることになり、それぞれが目的地を目指して車を走らせます。
実は死んだ男は15年前に強盗犯として捕まり、この日に出所したばかり。
35万ドルの隠し場所が不明だったので、事件を担当したカルペッパー警部(トレイシー)は部下に尾行させていたのです。
事故の目撃者たちの車4台が競争するように走り出したのを知り、警部はそれぞれに監視をつけるのですが…。

社会派のイメージが強いスタンリー・クレイマー監督が撮ったコメディ大作。
上記のスペンサー・トレイシーらの他にピーター・フォークも登場し、さらにバスター・キートン 、三ばか大将 、ジェリー・ルイスがカメオ出演しているというオールスター映画です。
公開されると本国のアメリカだけでなく、世界中でヒットを記録。
本作以降、日本では「おかしなおかしな○○」という邦題をつけられたコメディ映画が増えたほどです。

この映画、自分は40年ぐらい前に日曜洋画劇場で見て爆笑した記憶があります。
もう一度見てみたいと思っていた1本ですが、なかなかDVD化されず。
昨年末にDVDがリリースされた時、すぐに購入しました。

購入後、半年以上も置いたままにしておいたのは、ジャケットに書かれた160分という長尺に恐れをなしたから (^^;;
もっともイントロとアウトロ、インターミッションが含まれるので、本編だけならもう少し短いのですが、それでも日曜洋画劇場での放映時には1時間近くカットされていたことになります。
DVDにはその時の日本語吹替版が収録されており、迷わずそちらで鑑賞してみました。

久しぶりに見直して感じたのは、面白かったという印象は日本語吹替だったからではないか…ということ。
本作は喜劇ということもあり、2人以上(多い時には4~5人も)の役者が同時に捲し立てるシーンが多いのが特徴です。
なので吹替版だと、スペンサー・トレイシー役の森山周一郎を始め、羽佐間道夫、穂積隆信、近石真介、青野武、和久井節緒、神山卓三、寺島信子、鈴木弘子、平井道子、槐柳二、立壁和也という名優たちの台本なのかアドリブなのか分からない掛け合いが最高に楽しめるのです。
ちなみに吹替のない部分は英語音声、日本語字幕に切り替わるのですが、これだと面白さは半減しているように感じました。

自分の評価は日本語吹替版での鑑賞を前提として★★★★のお薦め。
これはクレイマー監督本人がプロデューサーも兼ねているから可能なのでしょうが、カメラワークを凝りたいがため、僅か1分足らずのシーンに2~3階分のビル内部の階段セットを組んでいたりで、昨今の映画に比べて物凄く贅沢な作りになっています。
ストーリーが横道に入りすぎて中だるみする箇所もありますが、大金を投じてこういうバカバカしいドタバタ喜劇を真剣に作っているのは評価したいですね。
金の掛かったドリフのコントそのもの…というシーンもあるので、“昭和の笑い”が好きな方なら必見です。

○本日のオマケ
ソウル・バスによるオープニング・タイトル
球形(地球儀)というモチーフだけでここまで作れる(しかも映画本編の内容も取り入れていたりします)センスは凄いとしか言いようがありません。

この記事へのコメント