chapter2613:トゥルーマン・ショー

画像トゥルーマン・ショー(1998)
THE TRUMAN SHOW
監督:ピーター・ウィアー
出演:ジム・キャリー、エド・ハリス、ローラ・リニー


30歳のトゥルーマン・バーバンク(キャリー)は離れ小島の町シーヘヴンに住む保険のセールスマン。
看護婦の妻メリル(リニー)と幸せに暮らしている彼ですがトラウマがありました。
幼い頃、ヨットで海に出た時に父親(ブライアン・ディレイト)が誤って転落死。
それ以来、海や川に近づけなくなったのです。
ある日、出勤途中でトゥルーマンは父親に似たホームレスの男性を見つけます。
驚いたトゥルーマンが話し掛けようとすると何者かに連れ去られ、慌てて後を追うものの見失ってしまいます。
父親の死体は発見されていないため、生きているのではないかと思った彼は母親(ホーランド・テイラー)に相談しますが、気のせいだと取り合ってくれません。
翌日、出勤しようとしたトゥルーマンのカーラジオが故障して混線。
聞こえてきたのは何者かが彼を監視している内容だったのですが…。

アンドリュー・ニコルの脚本をピーター・ウィアー監督、ジム・キャリー主演で映画化したSFコメディ。
テレビ・シリーズ「トワイライトゾーン」のエピソードからヒントを得て書き上げた脚本で、当初はニコル自身が監督もするはずだったのだとか。
しかし予定以上の大作になったため、「ガタカ」1本しか実績のなかったニコルに代わってピーター・ウィアーに監督のお鉢が回ってきたそうです。

まず観客には主人公のトゥルーマン・バーバンクが「トゥルーマン・ショー」というテレビ番組で生活ぶりを24時間生中継されているという設定が知らされます。
彼は産まれた時から巨大なドーム型スタジオで暮らしており、その様子が世界中に流されているのですが、知らないのは本人だけ。
実は町で生活している人や友人はおろか、両親まで役者が演じていたのです。
ところが些細なことからトゥルーマンが異常に気づいてしまい…というストーリーでした。

ジム・キャリーは個人的に苦手な俳優ですが、本作のトゥルーマンというキャラクターはまさに適役。
コメディだけでなくシリアスな演技もこなす彼でなければクライマックスは盛り上がらなかった気がします。
文字通りに彼の人生を演出している冷酷な番組ディレクターにキャリーと対照的なエド・ハリスを配したキャスティングは上手いと思います。

自分の評価は★★★★のお薦め。
見終わっての感想はアンドリュー・ニコルらしい映画というもの。
テレビとその視聴者への風刺という面もありますが、極度の管理社会への批判というテーマが「ガタカ」と共通しているように感じました。
SF作家フィリップ・K・ディックの影響が窺えるという点も同様です。
もっとも、本作をニコル自身が監督していたら「ガタカ」のようにシリアスで地味な内容になっていたに違いないでしょうから、キャリー主演でコミカル路線にして、ピーター・ウィアー監督を起用したのが正解だった気はします。

『こんな番組、誰も見ないんじゃないの?』とも思いましたが、日本でも私生活を見世物にした人気番組があるようなので意外と需要はあるのかも。
番組中にさり気なくCMを入れるのも今では普通になりましたね (^^;;

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