chapter2589:ピアノ・レッスン

画像三上延の「ビブリア古書堂の事件手帖5 ~栞子さんと繋がりの時~」を読了。
人気の「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズ最新作です。

前作の4巻目は長編形式になっていましたが、この巻からはそれまでの連作短編形式に戻っています。
今回は題材に手塚治虫の「ブラックジャック」が登場。
劇中に出てくる未収録エピソードのために色んなバージョンを買い直すマニアはまるで自分のことのようでした (^^;;

相変わらず読みやすいですが、『そんなヤツはおらんやろ』という登場人物ばかり。
謎解きもイマイチでミステリーとしての醍醐味はありません。
それでも1巻目から続けて読んでいれば“キャラ読み”で楽しめるでしょう。
評価:★★★


画像ピアノ・レッスン(1993)
THE PIANO
監督:ジェーン・カンピオン
出演:ホリー・ハンター、ハーヴェイ・カイテル、サム・ニール


19世紀半ば、未亡人のエイダ(ハンター)は幼い娘フローラ(アンナ・パキン)を連れて、スコットランドからニュージーランドに嫁いできます。
当時のニュージーランドは最果ての地で港もなく、エイダたちは砂浜に上陸します。
ところが、生憎の荒天で夫スチュワート(ニール)の迎えは遅れてしまい2人はピアノなどの荷物と一緒に野宿することに。
翌朝、ベインズ(カイテル)たちと到着したスチュワートは重すぎるピアノの運搬を拒否します。
話せないエイダに取ってピアノは分身とも言える存在ですが、新居までの道のりが未開のジャングルを通るので諦めるしかありませんでした。
土地の取引で夫が数日留守にした時、エイダはベインズに浜辺へ連れて行って欲しいと懇願。
置き去りにされたピアノを生き生きと弾くエイダを見たベインズは彼女に惹かれます。
数日後、ベインズは人足を雇って浜辺にあったピアノを自宅に回収。
エイダにピアノを教えてもらう交換条件として、自分の土地の譲渡をスチュワートへ提案するのですが…。

ニュージーランド出身の女流監督ジェーン・カンピオンの出世作。
カンヌ映画祭ではパルム・ドールを受賞し、アカデミー賞でも作品賞など8部門にノミネートされて主演女優賞(ホリー・ハンター)、助演女優賞(アンナ・パキン)、脚本賞(ジェーン・カンピオン)と女性3人が受賞しています。

この映画、10年以上前に初めてDVDで見た時は画質がイマイチでした。
全体的に画面が暗すぎて何が何だか分からないシーンもあり、ほとんど印象に残っていません。
今回はレンタルで見つけたHDリマスターの「パルムドール受賞20周年記念版」を鑑賞。
格段に画質がよくなっており、随分印象が変わりました。

子持ちで再婚した女性と夫、そして夫の友人の三角関係を描いた作品です。
主人公のエイダは口がきけませんが、譲れないところは絶対に譲らない勝ち気な女性。
嫁いできてからも我を通して夫とベッドを共にしないほどです。

そんな彼女に惚れたのが使用人的立場にある夫の友人ベインズ。
ピアノをレッスンしてもらうという口実で彼女を自宅に呼びつけ不倫関係を迫ろうとします。
彼女は最初こそ原住民のマオリ族に倣って顔に刺青をしているベインズを嫌いますが、調律師を呼んでピアノをちゃんと整備していたことで見直すようになります。
やがて彼の肉体的魅力に抗えなくなり…という、かなり下世話な内容と言えるでしょう。

しかしながら、それらを映像で表現したカンピオン監督の演出は見応え充分。
徐々にピアノからベインズにシフトしていく主人公の心情が見事に描かれています。
ホリー・ハンター、ハーヴェイ・カイテル、サム・ニール、アンナ・パキンらの名演に加えてマイケル・ナイマンの音楽も素晴らしく、官能的なラブストーリーに仕上がっていました。
冒頭のモノローグはともかく、蛇足と思えるラストのそれは残念ですが、自分の評価も★★★★のお薦めです。

○本日のオマケ
マイケル・ナイマンによるテーマ曲「The Heart Asks Pleasure First/The Promise」です。

この記事へのコメント

zebra
2017年10月22日 18:57
ハーベイ・カーテルの中年オヤジ特有のブヨブヨ腹ボディをさらけだして・・・あれで ホリーハンター演じたエイダとの激しい肉体勝負とは・・・恐るべし。

ハーベイカイテルもアカデミー助演男優もらってもよかったような気もしますね。せめてノミネートくらいされたって・・・・ 「スモーク」での好演技も好きです