chapter2584:ザ・フライ

画像ザ・フライ(1986)
THE FLY
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
出演:ジェフ・ゴールドブラム、ジーナ・デイビス、ジョン・ゲッツ


科学雑誌の記者ヴェロニカ(デイビス)は科学研究を支援している企業グループが主催したパーティに出席し、ブランドル(ゴールドブラム)という科学者と知り合います。
世紀の大発明を研究しているので取材しないと損だと語るブランドルに興味を持ったヴェロニカは倉庫を改造して自宅兼用にしている彼の研究室へ。
そこで彼女が見たのは物体を瞬間移動させる“テレポッド”という装置でした。
『まだ無機物だけで生物では成功していない』と語り出すブランドルの言葉をヴェロニカが録音しようとすると彼は取材拒否。
この段階で発表されては困るというブランドルを無視した彼女は翌朝、編集長ボーランズ(ゲッツ)に話を持ち込みます。
しかし、ボーランズは彼女が手品で欺されただけだと取り合いません。
そこへ記事掲載を止めようとしたブランドが現れたので、2人は食事をすることに。
まだ記事にせず、完成までを密着取材してみないかと彼に提案されたヴェロニカはこれに乗るのですが…。

1958年に作られたSFホラーの古典「蝿男の恐怖」をデヴィッド・クローネンバーグ監督がリメイク。
公開時は大ヒットして、3年後に続編となる「ザ・フライ2 二世誕生」も作られています。
クローネンバーグ監督だけでなく、主演したジェフ・ゴールドブラムとジーナ・デイビスの2人にも出世作となりました。
ちなみにゴールドブラムとデイビスは本作の共演が切っ掛けで結婚しています。

自ら試した人体実験に失敗してしまう科学者の悲劇を描いた内容です。
「フランケンシュタイン」などの“マッド・サイエンティストもの”の系譜に連なる作品と言えるでしょう。

最大の見どころはアカデミー賞のメイクアップ賞を受賞したクリス・ウェイラスらの特撮です。
久しぶりにブルーレイで見直しましたが、特撮は今見ても色褪せていません。
逆にCGでは出せそうにない質感が際立っています。

人間の歯や爪がボロボロと抜け落ちたり、身体の内側と外側がひっくり返ったヒヒなどグロテスクな映像が満載。
グロければグロいほど、悲劇性が増すのはホラーだからこそ成り立つ展開かも知れません。

グロテスクさだけが注目されがちですが、内容もしっかりした作品に仕上がっています。
オリジナルの「蝿男の恐怖」より、愛する者を失うヒロインの悲劇が強調されたこちらの方が個人的には好み。
クローネンバーグ監督らしい秀作で、自分の評価も★★★★のお薦めです。

この記事へのコメント

トースケ
2014年04月28日 23:19
これは当時劇場で観ました.クローネンバーグここにあり!という秀作ですよね.
こんなにグロいのに「切ないラブストーリー」としてしっかり描かれているのがさすがです.
関係ないですが昨日「オブリビオン」を観ました.タラララさんの★★★、納得です.もう少し伝え方を上手くすれば、いくらか深い作品になっただろうけど・・・.
タラララ
2014年04月29日 13:53
まさしく「切ないラブストーリー」ですよね、この映画。
「オブリビオン」は劇場で見たはずですが後半で尻すぼみになったような…。
途中までは面白かったという印象しか残ってません (^^;;