chapter253:ローレライ

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小泉首相の“刺客”が出揃ったようですね。
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/senkyo/news/20050820k0000m010133000c.html

選挙結果が楽しみです。
それから、亀井さん、間違いじゃないですけど、“刺客”は“しきゃく”じゃなくて、“しかく”と読みましょうよ。


ローレライ(2005)
監督:樋口真嗣
出演:役所広司、妻夫木聡、柳葉敏郎、香椎由宇、石黒賢


昭和20年8月6日、広島に原爆を落とされた日本は、すでに敗戦国となっていたドイツから極秘で1隻の潜水艦を接収します。
「伊507」と名付けられたこの潜水艦に搭載されている特殊兵器「ローレライ・システム」を使い、広島に続く原爆投下を阻止するための作戦が実行されます。
原爆を搭載したB-29が離陸出来ないように、テニアンにある米軍飛行場の滑走路を破壊することが任務でした。
艦長の絹見少佐(役所)以下、乗員は急遽集められた者ばかり。
搭載されている魚雷は少ない上に、ローレライ・システムの使用は一度限りという制限が付けられていました。
しかし、目的地へ着くまでに米艦隊と遭遇してしまった伊507は、ローレライ・システムを起動させてしまいますが…。

原作は福井晴敏の「終戦のローレライ」。
映画を見始めて5分で、『ああ、これは原作とは別物として見ないといけない』と感じました。
原作の重要なエピソード、重要な登場人物が欠落しているからです。
文庫版で4巻、ハードカバーで2巻のボリュームを全て映画化するのは不可能ですから、これは仕方のないこと。
以下、『原作と映画は別物』と割り切って見た、自分の感想です。

まず、気になったのが、妻夫木聡ら何人かの役者の髪が長いことです。
士官はまだしも、一兵卒は坊主頭でないと違和感がありすぎます。
元々、設定自体にSF的な要素があるのですから、時代性を感じさせないと映画自体が単なる“与太話”になってしまいます。
少なくとも、丸刈りを嫌がるような俳優はキャスティングするべきではないでしょう。

“感動”の意味を勘違いしているとしか思えない樋口監督にも困りました。
人が死ぬのを見て悲しくなり涙を流すことは“感動”ではありません。
泣かせるだけならば、再現フィルムでも可能です。
これは一度でも、小説、音楽、絵画、大自然の風景などで感動したことがある人なら解るはず。
観客が勘違いするのは、ある程度仕方がないとして、作り手が勘違いしてもらっては困ります。

役者の演技を引き出せていない演出も酷いですね。
個人的に役所広司は、日本でも演技が出来る数少ない俳優の1人だと思っています。
ところが、見終わった後で思い出せるのは、彼が大声で怒鳴っていたということだけです。
國村隼やピエール瀧も雰囲気は良かったのですが、全く印象に残る演技がありませんでした。

それでも、見せ場であるはずの特撮シーンが良ければ、なんとか見られたはずです。
CGなのかミニチュアなのかは解りませんが、あまりにもショボ過ぎ。
潜水艦や戦艦の質感というものが、全然、描けていません。
最近のゲームのデモンストレーションでも、もう少しマシなのではないでしょうか。
ラスト近くで、伊507が戦艦と同じぐらいの大きさに見えた時には苦笑してしまいました。
そんな潜水艦は、いくら何でも有り得ません (^^;;

戦艦が縦に隊列を組んで進むことも、まず有り得ません。
太平洋の真ん中で艦から降ろすことは、当時の状況からすれば『死ね』と言うのと同じことです。
ちなみに原作でも下艦するシーンはありますが、ちゃんと納得出来る状況に設定されています。
他にも、時々出てくるカタカナ語や現代口調のタメ口、ストーリーを追っ掛けるだけの展開、意味不明の回想シーン、音楽のセンスの悪さ…などなど、言い出せば切りがありません。
SFでは評価が高い監督のようですが、太平洋戦争はフィクションではないのですから、最低限のリサーチはして欲しいものです。

自分の評価は★1つの最低評価。
潜水艦の閉塞感、終戦間際の危機的状況など皆目描けていません。
映画は飛んでもない駄作ですが、原作は面白いのでお薦めしておきます。
ところで、原作を読んでいる自分は頭の中で補完しながら見ましたが、未読の人は映画を見ただけでローレライ・システムの意味は解ったのでしょうか?
ああ、『椰子の実』の歌を聞きたかった…。

この記事へのコメント

HOSHIO
2005年08月21日 00:04
またまた見ちゃいましたね?
しかしこの「終戦のローレライ」はワイキキビーチで泣きながら読んだという見事な原作だったので、やっぱり見なきゃよかったです。樋口真嗣はドラマを描く監督では(今のところ)ありませんね。途中唐突に入るナレーションが誰だったのか明かされる最後のシーンにびっくし。
タラララ(管理人)
2005年08月21日 13:26
あ~、見ちゃいました (^^;;
原作云々を抜きにしても、ちょっと酷い映画ですね、コレ。
ハリウッド大作の悪いところばっかり、マネしちゃったという感じです。
気がつかなかったんですが、タイロン・パワーJr.が出ていたんですね…。