chapter2662:ホワイト・ドッグ 魔犬

画像ホワイト・ドッグ 魔犬(1982)
WHITE DOG
監督:サミュエル・フラー
出演:クリスティ・マクニコル、ポール・ウィンフィールド、バール・アイヴス


ある夜、売れない女優のジュリー(マクニコル)は真っ白なシェパードを車で跳ねてしまいます。
すぐに動物病院で治療してもらい、傷が治るまで自宅で預かることに。
恋人で作家のローランド(ジェームソン・パーカー)と犬のビラを作り、事故現場付近に貼り付けますが飼い主からの連絡はありません。
数日後、自宅に侵入した強盗を撃退してくれたため、彼女はこの犬を飼おうと決めます。
ところが撮影現場に連れて行った時、急に凶暴になった犬が共演者のモリー(リン・ムーディ)を襲ってしまうのですが…。

「史上最大の作戦」などの脚本家で監督として活躍したロマン・ギャリーの原作をサミュエル・フラーが映画化した問題作。
「ロボコップ」シリーズのジョン・デイヴィソンがプロデュースし、「L.A.コンフィデンシャル」のカーティス・ハンソン監督とフラーが脚本を書き、カメラはイーストウッド作品でお馴染みのブルース・サーティースで音楽はエンニオ・モリコーネと一流のスタッフが揃っています。
当時はアイドル人気が高かったクリスティ・マクニコルの主演作ですが、日本では劇場未公開。
その後、ビデオ発売されてから1990年にようやく劇場公開された作品です。

自分はタイトルとジャケットから「ドッグ」のような動物パニックやホラーを想像したのですが、全然違ってました (^^;;
“ホワイト・ドッグ”とは主人公が飼い始める白いシェパードのことだと思いながら見ていると、もっと深い意味があることが少しずつ分かってきます。
実は白人の差別主義者によって黒人だけを襲うよう調教された犬のことを“ホワイト・ドッグ”と呼ぶのだとか。
実際にアメリカで問題になった事件がベースになっているというのが驚きです。

自分の評価は★★★。
主人公が売れない女優なのに豪邸に住んでいたりと突っ込みどころは少なくありませんが、最後まで退屈しません。
ポール・ウィンフィールドとバール・アイヴスは好演していますが、肝心のクリスティ・マクニコルがイマイチなのは残念した。
ただし実質的な主役であるシェパードの演技は抜群で、牙を見せて威嚇するシーンなどは下手なホラーより怖いです。
移動しながらのワンカットでの長回し、レオーネばりの役者のドアップなど、フラー監督の凝った演出も見逃せない社会派サスペンスの佳作でしょう。
フラー作品らしく、安易なハッピーエンドで終わらないのも良いですね。

この記事へのコメント

HOSHIO
2015年07月01日 00:47
シンバがときどきこんな顔します。ぶっ飛ばしますが。

クリス・スクワイアが亡くなりましたね。白血病だったのだとか。
https://www.youtube.com/watch?v=iJu-AnzyQBI&feature=youtu.be
プログレとはいえなかなかロックしていたベーシストだったと思います。
タラララ
2015年07月01日 09:41
シンバ君、こんな顔ができるのならプロダクションに登録されてはいかがでしょうか (^^;;

クリス・スクワイアの訃報はショックでした。
去年に亡くなったジャック・ブルースと共に個人的なベース・ヒーローだったので。
「ベースは単なるリズム楽器じゃない、メロディ楽器にもなるんだ」と教えてくれたのはこの2人でした。
10代で学生バンドを始めた時、ギターではなく迷わずベースを選択したのも2人の影響が大きかったからです。
こういうものは順番とはいえ、まだ67歳なのでちょっと早過ぎますよね。
ご冥福をお祈りします。