chapter2646:砂の器(1974)

画像松本清張の「砂の器」(新潮文庫)を読了。
ブルーレイで映画を見直すのに合わせて約30数年ぶりに読み直してみました。

正直ミステリーとしては駄作でしょう。
偶然が多すぎる上に殺害方法が悪い意味でマンガ的なのにはガッカリ。
映画にあったようなテーマはないので社会派ミステリーにもなっていません。
ただし、松本清張の筆力で最後まで退屈させませんし、“警察もの”としてはそれなりの出来だと思います。
評価:★★★


画像砂の器(1974)
監督:野村芳太郎
出演:丹波哲郎、加藤剛、森田健作


警視庁捜査一課の今西警部補(丹波)は若い吉村刑事(森田)を連れて秋田県の亀田に来ていました。
国鉄蒲田操車場構内で起きた殺人事件の手掛かりである“東北弁のカメダ”を辿ってきたのです。
しかし、これという成果は上がらず事件の捜査本部は解散となってしまうのですが…。

松本清張の小説「砂の器」を野村芳太郎監督が執念で完成させた松竹映画。
何度か見ている映画ですが、今回は初めてブルーレイでの鑑賞です。
DVDに比べると遥かに画質は良くなっていて、島田陽子のオッパイもハッキリと見えました (^^;;

上記の原作を読んだ直後に見たのですが、これは映画の圧勝ですね。
登場人物やエピソードの刈り込みが鮮やかですし、原作とは全く違うテーマを設定したことで感動作に仕上がっています。
その分、序盤の秋田県・亀田に出没した不審者が何の意味もない存在になったという欠点が出来てしまいましたけど (´・ω・`)

自分の評価は★★★★のお薦め。
2時間半近い長尺を一気に見せる野村監督の代表作だと思います。
芥川也寸志と菅野光亮の音楽、川又昂のカメラに加えて丹波哲郎、緒形拳、加藤嘉らの名演も忘れられません。

この記事へのコメント

HOSHIO
2014年12月11日 23:30
カッパノベルズで、最後の「独演」を何度も読み返した記憶があります。あの語り口こそ映画のテイストそのものだったのではないかと。

映画はLD以来見ていませんが、そのときすでに「昭和時代」の時代劇だったように記憶しています。今もどこかに残っているんでしょうか>砂の器の世界

松本清張って「ミステリー」としては○○○ないですよね。
タラララ
2014年12月12日 12:26
原作は読んだはずだけど内容は全く覚えていなくて「映画と全然違うじゃん!」という印象しかありませんでした。
今回読み直してみて、それも納得です (^^;;

映画は今見ると完全に“昭和時代劇”ですね。
何となく「飢餓海峡」も見直してみたくなりました。

松本清張のミステリーは「点と線」ぐらいしか面白かった記憶が…。
社会派ってあんまり好みじゃないんですよね (^^;;
それより歴史小説に面白いのがあった気がします。
HOSHIO
2014年12月31日 17:01
本年もお付き合いいただきありがとうございました。
今年は飛び抜けた作品はありませんでしたが、わりと面白い映画が多かったような気がします。「アメリカン・スナイパー」がとりあえず楽しみです。

よいお年をお迎えください!
タラララ
2014年12月31日 17:27
映画はほとんど見る時間がありませんでしたが、本はKindleでそれなりに読めました。
「その女アレックス」の書評、期待してます。
来年もよろしくお願いします。