chapter2624:フェイズIV 戦慄!昆虫パニック

画像フェイズIV 戦慄!昆虫パニック(1974)
PHASE IV
監督:ソウル・バス
出演:ナイジェル・ダヴェンポート、マイケル・マーフィ、リン・フレデリック


天体の異変が相次ぎ、天文学者は地球への影響を心配し始めます。
ところが、最初に異常を察知したのは昆虫学者のハッブス博士(ダヴェンポート)でした。
彼はアリゾナ州の砂漠地帯に生息する蟻がお互いに殺し合うのを止めたことに気づきます。
さらに彼らは協力して天敵を駆逐し、付近にはクモやカマキリなどの蟻を補食する生物が見られないようになります。
やがて蟻の被害は人家にまで及ぶようになり、数家族が土地を放棄します。
この調査を報告したハッブス博士は政府から予算が下り、砂漠に研究所を建設することに。
博士が助手として選んだのは生物とのコミュニケーションの専門家レスコ(マーフィ)でした。
まず2人は蟻の被害に悩みながらも居座っているエルドリッジ(アラン・ギフォード)一家へ政府からの立ち退き要請を渡しに行きます。
しかし、エルドリッジは家の周囲に堀を巡らすなど、蟻対策に自信満々で立ち退きを拒否するのですが…。

「めまい」「ウエスト・サイド物語」「グラン・プリ」を始め、多くの映画のタイトル・デザインを手掛けたソウル・バスが監督したSFサスペンス。
彼はアカデミー賞のドキュメンタリー短編賞を受賞した「なぜ人間は創造するのか」など何本か短編を撮っていますが、長編の劇映画としてはこれが最初で最後です。
日本では劇場公開されずテレビ放映されただけで、再放送ごとに「戦慄!昆虫パニック 砂漠の殺人生物大襲来」「昆虫パニック」「SF超頭脳アリの王国 砂漠の殺人生物」と色んな邦題がつけられたようです。

あのソウル・バスが監督したSFということで、自分も存在だけは知っていた作品です。
主な出演者はナイジェル・ダヴェンポート、マイケル・マーフィ、リン・フレデリックの3人だけ。
端役を入れても全員で6人というB級(低予算)映画でした。

突如、蟻が知能を持って…というストーリーですが、登場するのは種類は違えど普通の蟻。
他のSF映画のように放射能で巨大化したり、火を吐いたりはしません (^^;;
ただし、自己犠牲を厭わず女王蟻を頂点に意思疎通の図られた集団は充分脅威に思えてきます。

例えば、新型の殺虫剤で蟻が大量に死んでしまいますが、1匹が殺虫剤のサンプルを巣まで持ち帰ろうとします。
が、毒のために途中で絶命。
するとすぐに別の蟻がその役目を引き継ぎ、その蟻が死ぬとまた別の蟻が…というようにして最後は女王蟻に届けます。
サンプルを解析した女王蟻がその殺虫剤に耐性のある子孫を産んで…というシーンには愕然とします。

一連の蟻のシークエンスを撮影したケン・ミドルハムの超接写カメラが本当に素晴らしい。
またそれらを本当に蟻が演技していると見えるように繋いだ編集もお見事。
天体異変を表現したオープニングなど、ソウル・バスのデザイナーならではの感覚があちこちで光っている作品です。
効果音を上手く使ったブライアン・ガスコーンの音楽も効果的でした。

自分の評価は★★★★のお薦め。
突っ込みどころは少なくありませんが、知性を持った蟻と人間の対決は見応えタップリ。
派手なシーンはなくとも、SF好き、特撮好きなら見ておいて損のない秀作です。
ルイス・ブニュエルの「アンダルシアの犬」や「2001年宇宙の旅」を意識したようなシーンがあるのも興味深いですね。

この記事へのコメント

トースケ
2014年07月04日 23:49
こ、これは! めっちゃ面白そうですね!
また「観たい映画リスト」に1つ加わりました.
でもこれからTV放映される可能性は少なそうですね.
タラララ
2014年07月05日 08:30
エンディングを含めて、かなりシュールな映画ですが面白いです。
リン・フレデリックも可愛いですし (^^;;
地上波での放送はなさそうですが、CSやBSなら可能性があるかも。
TSUTAYAではレンタルできるようですよ。