chapter2586:とらばいゆ

画像松岡直也ボブ・ホスキンスの訃報です。

松岡さんは中森明菜のヒット曲「ミ・アモーレ」の作曲者、アレンジャーとして知られていますが、日本のラテン・フュージョンを代表するミュージシャン。
カシオペア、スクェア、高中正義、渡辺貞夫らと並んで、個人的に日本のフュージョンに嵌まる切っ掛けとなった1人です。
ライブの定番曲だった「One Last Farewell」を。

ボブ・ホスキンスは「モナリザ」や「ロジャー・ラビット」が印象に残っています。
黒歴史となっていますが、「スーパーマリオ」のマリオ役もピッタリだった気がします。
コメディからシリアスまでこなし、『この人が出ているなら見てみようか』と思わせるだけの魅力があった名優でした。

お2人ともご冥福をお祈りします。


とらばいゆ(2001)
監督:大谷健太郎
出演:瀬戸朝香、塚本晋也、市川実日子


女流棋士の本城麻美(瀬戸)は3年の同棲期間を経て、サラリーマンの宮前一哉(塚本)と結婚します。
ところが結婚した途端に夫から家事を押しつけられるようになり、将棋の成績が下降。
女流名人戦B級リーグ陥落のピンチに追い詰められ、夫婦仲はギクシャクしてしまいます。
一方、麻美の妹で女流棋士の里奈(市川)は売れないミュージシャンの矢島弘樹(村上淳)と同棲中。
こちらはA級リーグに昇格しようかというほど将棋の成績は好調ですが、元彼と遊びに行ったりでやはり矢島との仲は上手くいっていません。
やがて麻美はB級リーグを陥落したら離婚すると言い出すのですが…。

姉妹で女流棋士になった中倉彰子と宏美をモデルにしたラブコメ風ドラマ。
将棋監修として中倉姉妹と2人の師匠である堀口弘治がクレジットされています。
さらに将棋指導として古河(現・真田)彩子、横山(現・石高)澄恵、本田小百合、深浦康市の名前もありました。
どうやら劇中には中倉姉妹の他に竹部さゆり(クレジットは旧姓の木村さゆり)やアマチュア時代の瀬川晶司も出ていたようですが、自分は全く気づきませんでした (^^;;

最近、女流棋士を主人公にした映画があると知り、レンタルしてみた作品です。
ネットでの評価も悪くなかったので期待して見始めたのですが…。

初めて見た大谷監督作品ですが、基本的に長回しが好きな監督のようです。
ただし、見ていて感じたのは『演出力と役者の演技力がないと長回しは辛い』ということ。
構図も照明も工夫されていない平板な画面の中で登場人物が言い合っているだけなので、かなり退屈な内容になっていました。
途中で何度も見るのを止めようかと思ったほどで、全然面白くありません。

しかも女流棋士の物語なのに将棋の扱いが適当すぎます。
瀬戸朝香と市川実日子の駒さばきはたどたどしいものの、それなりに様になってます。
しかし、利き手で取った相手の駒を駒台に置かず、逆の手に持ったまま指し手を進めるシーンが出てきたのでビックリ。
対局中に喫煙できた昭和の頃ならいざ知らず、今どきこんな両手を使う棋士はいません。
既に終了した対局が終局図のままで盤上の駒が片づけられていないことにもガッカリです。

一番驚いたのはA級昇格が決まった妹が『一局ぐらいなら負けてあげてもいいよ』と姉に持ちかけるシーンがあったこと。
負けるとB級から陥落が確定しますし、他の事情も絡んで姉としては絶対に勝ちたい一局です。
しかしながら姉妹であっても、こんな風に考えるプロ棋士は1人もいないでしょう。

せっかく対局シーンを将棋会館で撮影しているのにこれはないだろう…と思う、将棋ファンなら呆れてしまうシーンが目立ちます。
女流棋士を主人公にしているのですから、せめて最低限のリサーチはしっかりとするべきでしょう。
細かいことのようですが、こういうところに手を抜いているような映画は大したことないと言われても仕方がない気がします。
少なくとも棋士や将棋への敬意を感じるシーンはなく、自分の評価は★1つです。

姉が腕時計を床に投げ捨てるシーンが出てきますが、某女流のエピソードを思い出して笑ってしまいました (^^;;

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