chapter2442:ダーティー・セブン

画像ロバート・A・ハインラインの「月は無慈悲な夜の女王」を読了。
本書の邦題、最近はあちこちでパロディ的に使われていますが、もちろんこれがオリジナルです。

地球に搾取されている月植民地が叛旗を翻して独立するというお話し。
30数年ぶりに読み直しましたが、やっぱり面白いです。
「宇宙の戦士」や「異星の客」などを経て1966年に発表された後期の作品なので、かなり饒舌になりつつありますが、ハインライン好きにはこれも魅力の1つでしょう (^^;;
人格を持ったコンピューター、マイクは今読んでも魅力的です。
評価:★★★★

他にも「夏への扉」「宇宙の戦士」「人形つかい」「メトセラの子ら」「愛に時間を」など、まだ有名どころばかりですがKindleにもハインライン作品が増えてきました。
先週にはクラークの「2001年」シリーズも発売されましたし、ブラッドベリ、ディック、ヴォネガットらの代表作は発売済み。
少しずつ海外のSFは充実してきましたね。
あとは“ビッグ3”の残る1人、アシモフをオネシャス!


ダーティー・セブン(1972)
UNA RAGIONE PER VIVERE E UNA PER MORIRE
監督:トニーノ・ヴァレリ
出演:ジェームズ・コバーン、テリー・サヴァラス、バッド・スペンサー


南北戦争の末期、北軍のペンブローク大佐(コバーン)は守備していたホルマン砦を南軍のウォード少佐(サヴァラス)に無条件で明け渡してしまいます。
その後、姿を消した大佐は脱走兵扱いになっていましたが、ある田舎町で北軍に捕らえられてしまうのでした。
指揮官が大佐の旧友だったため、もう一度軍を指揮してホルマン砦を奪還すれば絞首刑を免れることに。
しかし、砦の攻略は少数での不意打ちがベストと判断した大佐は軍の助けを断ります。
代わりに大佐が指名したのは、絞首刑になりかけていたイーライ(スペンサー)たち6人の犯罪者。
さらに素行の悪いブレント軍曹(ジョルジュ・ジェレ)が懲罰として加わり、8人でホルマン砦へ向かいます。
ところが、イーライたち犯罪者6人は自由の身になった途端に逃げることしか考えていません。
そこで大佐は軍資金50万ドルを放棄する前に砦へ埋めたという秘密情報を彼らに教えるのですが…。

ブームの末期にトニーノ・ヴァレリ監督が撮ったイタリア・フランス・西ドイツ・スペイン合作のマカロニ・ウエスタン。
「怒りの荒野」「さすらいの一匹狼」「ミスター・ノーボディ」などで人気があったヴァレリ監督作でジェームズ・コバーンとテリー・サヴァラスが共演していますが、日本では劇場公開されませんでした。
まず「要塞攻防戦 いのち知らずのならず者」というタイトルでテレビ放映され、ビデオ発売時に「ダーティー・セブン」と改題されたようです。

犯罪者たちを率いて砦を7人で攻略する…というストーリーは、誰がどう見ても「特攻大作戦」と「荒野の七人」のパクリ (+_+)
「ダーティー・セブン」という邦題も明らかに「特攻大作戦」の原題「THE DIRTY DOZEN」を意識したものでしょう。
ちなみに主人公チームは出発時に8人いますが、途中で1人死んでしまうので砦へ到着した時は7人。
ちゃんと数字的な辻褄は合っています (^^;;

本作は設定こそ西部劇ですが、クライマックスが砦の攻防戦なので戦争映画に近い雰囲気でした。
攻防戦ではガトリング砲やダイナマイトなどが活躍しますし、ド派手な爆破シーンも多いです。
このクライマックスだけなら、それなりに楽しめるのですが…。

自分の評価は★★の駄作。
外見だけはインパクトのある役者を使っていても、キャラとしての個性が足りません。
そのためコバーン、スペンサー、ジェレの3人以外は一緒に思えてしまい、砦へ到着するまでがかなり退屈です。
コメディリリーフ役のバッド・スペンサーの扱いが中途半端なので、笑えないだけでなく緊迫感までなくなったのも痛い。
偶然手に入れた許可証など小道具の使い方も下手ですし、マカロニ・ウエスタンということを割り引いても雑な作りの映画でした。

出番が少ない上に凄みのないチンケな悪役というのはサヴァラスの無駄遣い。
当然コバーンとサヴァラスの一騎打ち…と思っていたラストが肩透かしだったことにもガッカリです。

○本日のオマケ
リズ・オルトラーニ作曲の「Ouverture」です。

この記事へのコメント

トースケ
2013年07月24日 23:10
ハインラインは「メトセラの子ら」「宇宙の孤児」を読んだかなぁ.「月は~」は未読.若かりし頃(時間がいっぱいあった頃)に読んだものです.

そういえば片思いの彼女が「夏への扉」をぜひ読めと勧めてくれたっけなぁ・・・.
タラララ
2013年07月25日 11:53
「メトセラの子ら」も「宇宙の孤児」も面白いですよね。
「メトセラの子ら」は「愛に時間を」とセットでそのうちにKindleで読み直す予定です。
「宇宙の孤児」は東京創元社なので…。
どうも東京創元社はハヤカワに比べると電子書籍化には消極的なようで残念。

「夏への扉」は今でも人気があるようで、KindleのSF部門ではずっとトップです。
自分も若い頃に読んで大いに感動しましたが、数年前に読み直したらそれほどでもなかったです (+_+)
やっぱり若い頃の感性って大事ですよね。