chapter2408:暴走機関車

画像ザ・ロードショー(旧・月曜ロードショー)、1988年1~3月分の放映リスト。
(再)は再放送です。

1月5日「マッドマックス」(1979)
 監督:ジョージ・ミラー、出演:メル・ギブソン
1月12日「スーパーマン」(1978)
 監督:リチャード・ドナー、出演:クリストファー・リーヴ
1月19日「007/死ぬのは奴らだ(再)」(1973)
 監督:ガイ・ハミルトン、出演:ロジャー・ムーア
1月26日「デルタ・フォース」(1985)
 監督:メナハム・ゴーラン、出演:チャック・ノリス
2月9日「キング・オブ・デストロイヤー コナンPART2」(1984)
 監督:リチャード・フライシャー、出演:アーノルド・シュワルツェネッガー
2月16日「暴走機関車」(1985)
 監督:アンドレイ・コンチャロフスキー、出演:ジョン・ヴォイト
2月23日「13日の金曜日PART2」(1981)
 監督:スティーヴ・マイナー、出演:エイミー・スティール
3月1日「風雲児 織田信長」(1959)
 監督:河野寿一、出演:中村錦之助
3月8日「クリッター」(1986)
 監督:スティーヴン・ヘレク、出演:ディー・ウォーレス・ストーン
3月15日「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」(1985)
 監督:マイケル・チミノ、出演:ミッキー・ローク
3月22日「里見八犬伝(再)」(1983)
 監督:深作欣二、出演:薬師丸ひろ子

「風雲児 織田信長」以外の10本がDVD化されています。


暴走機関車(1985)
RUNAWAY TRAIN
監督:アンドレイ・コンチャロフスキー
出演:ジョン・ヴォイト、エリック・ロバーツ、レベッカ・デモーネイ


アラスカにある刑務所ストーンヘブンではランケン所長(ジョン・P・ライアン)の逆鱗に触れて3年間も独房暮らしだったマニー(ヴォイト)が勝訴し、一般房へ戻ることに。
囚人たちは所長に屈しなかった彼をヒーローとして迎えるのでした。
これを気に入らない所長は囚人の1人を刺客にしてマニーを襲わせますが失敗。
マニーは真冬のアラスカで脱獄は自殺同然と考えている所長の裏をかいて脱獄を決意します。
洗濯物の収集係バック(ロバーツ)の手引きで洗濯籠に隠れて中庭まで出た彼は下水道から脱獄。
マニーを手伝うだけのつもりだったバックも行動を共にします。
凍てつくような氷原を抜けて2人が辿り着いたのは貨物列車の操車場でした。
目星をつけた機関車に潜り込んだものの、運転士が心臓発作を起こして先頭車両から転落。
非常ブレーキを焼き切った機関車は2人を乗せてたまま暴走を始めるのですが…。

1962年にニューヨークで機関車が100キロ以上も暴走した事件をヒントにしたサスペンス。
元々はハリウッド進出を予定していた黒澤明監督の没になった企画だったことは有名でしょう。
黒澤が菊島隆三、小国英雄と書いた脚本に手を加えたものなので、本作にも原案として黒澤の名前がクレジットされています。

久しぶりに見直したところ、故トニー・スコット監督の「アンストッパブル」との共通点が多いことに気づきました。
この映画では前半でヴォイトとロバーツの2人が脱獄するまでを描いていますが、黒澤のオリジナル脚本ではいきなり列車が暴走するシーンで始まると聞いたことがあります。
どうやら暴走した機関車をどうやって止めるかを焦点にしたパニック・アクションと言える内容だったようですね。
なので、本作よりも「アンストッパブル」の方が黒澤が意図した作品に近いと言えるかも知れません (^^;;

と、元のシナリオとは大きく違ってしまった「暴走機関車」ですが、コンチャロフスキー監督が狙ったのは黒澤があえて外したドラマ部分。
主人公マニーの脱獄する動機が所長への復讐のためという点からもそれが窺えます。
劇中に何度か出てくる“野獣”と“人間”というキーワードもそう。
最終的に機関車がどうなったかを描かないラストも意図的なものでしょう。

この年のアカデミー賞にノミネートされたようにジョン・ヴォイトとエリック・ロバーツは揃って好演しています。
まだ若手だったレベッカ・デモーネイも2人に負けないだけの存在感。
黒澤云々を考えずに見れば、こちらも見応えのある作品に仕上がっています。
自分の評価は★★★★のお薦めです。

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