chapter2389:007/ユア・アイズ・オンリー

画像ザ・ロードショー、1987年10~12月分の放映リスト。
〈 〉内は放送時のタイトル、(再)は再放送です。

9月までは「月曜ロードショー」でしたが、10月から放送日時が火曜日の8時~10時に変更されて番組名も「ザ・ロードショー」に。
ここから約2年間で番組名や放送日時が頻繁に変わるので、タグは“月曜ロードショー”のママで通します。

10月6日「コマンドー」(1985)
 監督:マーク・L・レスター、出演:アーノルド・シュワルツェネッガー
10月13日「ポリスアカデミー」(1984)
 監督:ヒュー・ウィルソン、出演:スティーヴ・グッテンバーグ
10月20日「007は二度死ぬ(再)」(1967)
 監督:テレンス・ヤング、出演:ショーン・コネリー
10月27日「ロッキー(再)」(1976)
 監督:ジョン・G・アヴィルドセン、出演:シルヴェスター・スタローン
11月3日「マッドマックス2」(1981)
 監督:ジョージ・ミラー、出演:メル・ギブソン
11月10日「どてっ腹に穴をあけろ〈ザ・アンタッチャブル どてっ腹に穴をあけろ〉」(1959)
 監督:フィル・カールソン、出演:ロバート・スタック
11月17日「V・マドンナ大戦争」(1985)
 監督:中村幻児、出演:宇沙美ゆかり
11月24日「ダーティハリー4(再)」(1983)
 監督:クリント・イーストウッド、出演:クリント・イーストウッド
12月1日「ビー・バップ・ハイスクール」(1985)
 監督:那須博之、出演:清水宏次朗
12月8日「ファイヤーフォックス」(1982)
 監督:クリント・イーストウッド、出演:クリント・イーストウッド
12月15日「赤穂浪士」(1961)
 監督:松田定次、出演:片岡千恵蔵
12月22日「007/ユア・アイズ・オンリー」(1981)
 監督:ジョン・グレン、出演:ロジャー・ムーア
12月29日「植村直己物語」(1986)
 監督:佐藤純弥、出演:西田敏行

DVD化されているのは「コマンドー」「ポリスアカデミー」「007は二度死ぬ」「ロッキー」「マッドマックス2」「ダーティハリー4」「ビー・バップ・ハイスクール」「ファイヤーフォックス」「赤穂浪士」「007/ユア・アイズ・オンリー」「植村直己物語」の11本です。


007/ユア・アイズ・オンリー(1981)
FOR YOUR EYES ONLY
監督:ジョン・グレン
出演:ロジャー・ムーア、キャロル・ブーケ、トポル


アルバニア沖で漁船に偽装し諜報活動をしていたイギリスのセント・ジョージ号が沈没します。
この船にはATACと呼ばれるイギリスのミサイル誘導装置が装備されていました。
イギリス情報部はギリシャにいた海洋考古学者のハブロック卿(ジャック・ヘドレー)にサルベージを依頼。
ところがハブロック卿のクルーザーは殺し屋ゴンザレス(ステファン・カリファ)に襲撃され、1人娘メリナ(ブーケ)の目前で卿と夫人が殺されてしまいます。
緊急呼び出しを受けたジェームズ・ボンド(ムーア)はゴンザレスを追ってスペインへ。
彼の屋敷へ潜入したものの捕まってしまいます。
その直後、ボンドとは別に両親の復讐のため潜入していたメリナがボウガンでゴンザレスを殺害。
隙を見て逃げ出したボンドは彼女と共闘して脱出に成功します。
Q(デスモンド・リュウェリン)の協力でゴンザレスの雇い主がロック(マイケル・ゴサード)だと知ったボンドは、イタリアのコルティナ・ダンペッツォへ飛ぶのですが…。

3代目ジェームズ・ボンド、ロジャー・ムーア主演の5作目でシリーズとしては通算12作目。
前作の「ムーンレイカー」で原作になっているイアン・フレミングの長編を使い果たしたため、今作は短編「読後焼却すべし(原題は「FOR YOUR EYES ONLY」)」の映画化ということになっています。
もっとも、かなり以前からタイトルは同じでも原作の設定やストーリーの一部だけしか反映していないので、ほぼ映画オリジナルの脚本と言ってよいでしょう (^^;;

前作で荒唐無稽になりすぎた反省を踏まえたこともあり、本作は原点回帰を目指した内容になっています。
監督は長らくシリーズの編集や第2班監督を務めたジョン・グレン。
これが初監督作ですが生身のアクションを取り入れて、シリーズ初期の作品に近い雰囲気に仕上げています。

映画はボンドが亡くなった妻トレーシーの墓参りをするシーンでスタート。
トレーシーの墓には1969年没と彫られていて、シリーズのファンなら「女王陛下の007」を思い出す場面でしょう。
続いてブロフェルドと思われる人物の計略でボンドがピンチになるシーンにもニヤリとさせられます。
ここで見られる建設中(解体中?)のビルのワンフロアをヘリコプターが通り抜けるアクションは見事です。

序盤の見せ場はゴンザレスの手下からボンドが逃げるカーチェイスです。
お馴染みのボンドカーのロータス・エスプリではなく、小型車のシトロエン2CVを使っているところがミソ。
そのためシリーズ定番のカーチェイス・シーンでありながら新鮮に映ります。

中盤にはスキー・アクションが出てきますが、これもコルティナ・ダンペッツォというロケ地を上手く活かしています。
1956年に冬季五輪を開催した場所なのでバイアスロンやスキージャンプなどを取り入れており、今までのシリーズ作で見られたスキー・アクションとは一味違うアクション・シーンに。
特にボブスレーのコースを使ったスキーとバイクのチェイスは最大の見どころでしょう。

さらに水中アクションもありますし、メテオラの修道院を舞台にしたクライマックスも悪くありません。
歴代ボンドガールの中でも人気が高いキャロル・ブーケの知的なクール・ビューティぶりも見もの。
ボウガンを操り、ラスト近くまでボンドとのベッドシーンはおろかキスシーンすらない彼女は従来のボンドガールのイメージと一線を画しています。
ボンドを助太刀するトポルも良い味を出していました。

秘密兵器を出さずにアクションを前面に押し出して、まさに原点回帰に成功したムーア・ボンドの中では一番好きな作品です。
しかし、肝心のボンド役であるロジャー・ムーアのキレのなさが大きなマイナスです。
キャロル・ブーケとトポルに美味しいシーンを持って行かれていますし、これでボンド役がもう少し若い役者だったらと思ってしまう惜しい作品。
自分の評価は★★★です。

ちなみにのバーナード・リーは撮影前に亡くなっていたので、劇中のMは休暇中ということになっています。
もう1人のボンドガール、リン・ホリー・ジョンソンは当時「アイス・キャッスル」などで人気があった女優ですが、幼く見えて何となく場違いな感じがします (^^;;

○本日のオマケ
シリーズ屈指の名曲だと思う、シーナ・イーストンでヒットした主題歌「For Your Eyes Only」
オープニング・タイトルに歌手本人が登場するのはシリーズで唯一、彼女だけですね。
こちらは候補作ながら最終的にボツになったブロンディの「For Your Eyes Only」です。

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