chapter2334:007/私を愛したスパイ

画像007/私を愛したスパイ(1977)
THE SPY WHO LOVED ME
監督:ルイス・ギルバート
出演:ロジャー・ムーア、バーバラ・バック、クルト・ユルゲンス


核ミサイルを搭載したイギリスとソ連の原子力潜水艦が相次いで行方不明に。
イギリスMI:6のM(バーナード・リー)はすぐに007ジェームズ・ボンド(ムーア)を呼び寄せます。
一方、ソ連もKGBのゴゴール将軍(ウォルター・ゴテル)が女性スパイの“トリプルX”ことアニヤ・アマソヴァ(バック)に事件の調査を命じていました。
何者かが開発した原潜の追跡システムが売りに出されていることを知ったボンドはエジプトのカイロへ。
システムを開発したのが世界的大富豪のストロンバーグ(ユルゲンス)だと突き止めますが、一足先にアニヤがバイヤーと接触していました。
しかし、ストロンバーグ本人はシステムを売り気がなく、バイヤーは彼の組織を裏切った人物だったのです。
そのためストロンバーグが差し向けた殺し屋ジョーズ(リチャード・キール)の手に掛かり、バイヤーは殺されてしまいます。
ストロンバーグが共通の敵だと認識した英ソ両国は合同で調査を進めることを決定。
ボンドとアニヤはストロンバーグの拠点があるサルジニア島へ向かうのですが…。

3代目ジェームズ・ボンド、ロジャー・ムーア主演の3作目でシリーズとしては通算10作目の作品。
記念すべき10作目ということで予算も大幅に増やされています。
結果は世界中で大ヒットを記録し、正月映画として公開された日本でもヒット。
“007=正月映画”というイメージが確立されたのも本作あたりからのような気がします。

予算が増えたこともあって、ムーア・ボンド作としては最も派手な仕上がりです。
敵の秘密基地もスケールアップしていますし、シリーズのお楽しみの1つである秘密兵器も大活躍。
良い意味でマンガ的になっていると言えるでしょう。
中でも水陸両用のロータス・エスプリは、コネリー時代のアストン・マーチンと並んで記憶に残るボンド・カーとなりました。

前2作に比べるとコメディ・タッチも控えめで、ムーア・ボンドも単なる皮肉屋というイメージを払拭しています。
3作目にしてようやくショーン・コネリーの呪縛から解き放たれ、ロジャー・ムーアがボンド像を確立させた作品と言えそうです。
それまでの2作とは違い、今作ではちゃんとマティーニを飲んでいるのも、製作側の自信の表れかも知れません。

見せ場のアクション・シーンも大幅に増え、個人的に評価の低いムーア・ボンド作の中では上位の面白さだと思います。
特にアバン・タイトルのスキーでのダイビング・シーンとそれに続くオープニング・タイトルの入り方はシリーズでも屈指の出来。
3大ピラミッドやカルナック神殿、アブシンベル神殿などの観光地を上手く見せてくれるのも嬉しいですね。

ただ、ソ連のナンバーワン・スパイであるはずのアニヤがボンドより2枚も3枚も役者が下に見えるのは勿体ない。
クライマックスではお荷物でしかありませんし、もっとボンドとアニヤが競う展開になっていればさらに楽しめたように思います。
マーヴィン・ハムリッシュの音楽も「007」に相応しいかどうかは微妙。
自分の評価は★★★です。

○本日のオマケ
カーリー・サイモンが歌ったテーマ曲「Nobody Does It Better」
シリーズで初めて映画タイトルと曲目が異なる主題歌となりました。
歌詞の中にはちゃんとタイトル名が出てくるんですけどね (^^;;

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