chapter2307:007/黄金銃を持つ男

画像007/黄金銃を持つ男(1974)
THE MAN WITH THE GOLDEN GUN
監督:ガイ・ハミルトン
出演:ロジャー・ムーア、クリストファー・リー、ブリット・エクランド


007という文字が刻まれた黄金の銃弾がロンドンのMI6本部に届きます。
黄金の銃を使うのは世界で唯一人、100万ドルで殺しを請け負うスカラマンガ(リー)だけ。
これを007を暗殺するという意味に受け取ったM(バーナード・リー)はジェームズ・ボンド(ムーア)を呼び出し、現在関わっている作戦全てから手を引くように命令。
任務の途中でボンドに死なれると作戦全体が台無しになってしまうと判断したからです。
ボンドは正体不明のスカラマンガの手掛かりを得るためにベイルートへ飛びます。
そこでダンサーが所持していた黄金の銃弾を回収したボンドはQ(デスモンド・リュウェリン)に分析を依頼。
銃弾が作られているマカオへ飛んだボンドはスカラマンガの情婦アンドレア(モード・アダムス)との接触に成功するのですが…。

3代目ジェームズ・ボンド、ロジャー・ムーアが「死ぬのは奴らだ」に続いて主演したシリーズ第9作。
イアン・フレミングの遺作「黄金の銃を持つ男」の映画化ですが、原作通りなのは敵としてスカラマンガが登場することぐらい。
ほぼ映画オリジナルのストーリーになっています。

秘密兵器やボンドカーが登場しない今作の“売り”はスカラマンガが使う黄金銃でしょう。
万年筆やライター、カフスボタンなどのパーツからなる組立式というのが特長です。
スカラマンガに扮したクリストファー・リーが持つに相応しい気品すら感じる銃だと言えますが、『だからどうなの?』という気がしないでもありません (^^;;

また、360度回転しながら川をジャンプするするカーアクションも公開当時は話題になりました。
CGがない時代ですから、車の速度や発車地点と着地点の傾きなどをコンピューターで計算したスーパー・スタントです。
ただし1秒ほどの短いシーンですし、つけられているSE(効果音)も気の抜けるようなもの。
苦心作だというのは分かりますが、こちらも『だからどうなの?』という気はします (^^;;

前作「死ぬのは奴らだ」に出ていたクリフトン・ジェームズが演じるペッパー保安官が再登場しています。
もっぱらコメディ・リリーフ的な役目ですが、全体的にコミカル調の作品なので彼がいなくても充分にマンガ的。
あまりにもオチャラケがすぎるようで、個人的には感心しません。
ストーリー運びも荒っぽいですし、テンポも悪く、シリーズ最低作という評価も多い作品ですが…。

自分の評価は★★★。
初めて劇場で見た007という思い入れもありますが、クリストファー・“ドラキュラ・ドゥークー伯爵”・リーが演じたスカラマンガはシリーズでも屈指の魅力的な悪役だと思うのです。
エルヴェ・ヴィルシェーズが演じる彼の従者の小人、ニック・ナックとのコンビはかなりユニークです。
もっとも、肝心のボンドとの直接対決シーンは盛り上がりに欠けるのですけど (^^;;

ブリット・エクランドとモード・アダムスという雰囲気の違うボンド・ガール2人も良いですね。
特に敵味方を問わず女性に優しいボンドから邪険に扱われるメアリー・グッドナイトはシリーズでも貴重な存在でしょう (^^;;

鏡の部屋が出てきたり、ボンドがへっぴり腰のカンフー・アクションを披露したりで、「燃えよドラゴン」の影響を受けているのは明らかです。
同様にスカラマンガの部屋のデザインの一部や、沈没したクイーンエリザベス号内部の傾いたデザインなどは、サイレント映画の名作「カリガリ博士」を思わせます。
まあ、これらも『だからどうなの?』なんですけど (^^;;

○本日のオマケ
ルルが歌うテーマ曲「The Man With The Golden Gun」です。

この記事へのコメント