chapter2303:タイム・アフター・タイム

画像日曜洋画劇場、1985年10~12月分の放映リスト。
(再)は再放送です。

10月6日「スーパーマン III 電子の要塞」(1983)
 監督:リチャード・レスター、出演:クリストファー・リーヴ
10月13日「男はつらいよ 噂の寅次郎」(1978)
 監督:山田洋次、出演:渥美清
10月20日「ダーティファイター 燃えよ鉄拳」(1980)
 監督:バディ・ヴァン・ホーン、出演:クリント・イーストウッド
10月27日「ナイトライダー4 殺人ミサイル壊滅作戦・敵か!?味方か!?謎の超人登場!!」(1984)
 監督:ウィンリック・コルベ、出演:デヴィッド・ハッセルホフ
11月3日「オリエント急行殺人事件(再)」(1974)
 監督:シドニー・ルメット、出演:アルバート・フィニー
11月10日「コレクター(再)」(1965)
 監督:ウィリアム・ワイラー、出演:テレンス・スタンプ
11月17日「愛の地獄」(1977)
 監督:アンドレ・カイヤット、出演:アニー・ジラルド
11月24日「料理長殿、ご用心」(1978)
 監督:テッド・コッチェフ、出演:ジョージ・シーガル
12月1日「暴走パニック超特急(再)」(1979)
 監督:リチャード・C・サラフィアン、出演:ロイド・ブリッジス
12月8日「ワイオミング」(1980)
 監督:リチャード・ラング、出演:チャールトン・ヘストン
12月15日「タイム・アフター・タイム」(1979)
 監督:ニコラス・メイヤー、出演:マルコム・マクダウェル
12月22日「戦場のメリークリスマス(再)」(1983)
 監督:大島渚、出演:デヴィッド・ボウイ
12月29日「ブリンクス」(1978)
 監督:ウィリアム・フリードキン、出演:ピーター・フォーク

DVD化されているのは「スーパーマン III 電子の要塞」「男はつらいよ 噂の寅次郎」「ダーティファイター 燃えよ鉄拳」「ナイトライダー4」「オリエント急行殺人事件」「コレクター」「愛の地獄」「料理長殿、ご用心」「タイム・アフター・タイム」「戦場のメリークリスマス」「ブリンクス」の11本。
11月の4本は“秋のミステリー特集”として放映されています。


タイム・アフター・タイム(1979)
TIME AFTER TIME
監督:ニコラス・メイヤー
出演:マルコム・マクダウェル、デヴィッド・ワーナー、メアリー・スティーンバージェン


1893年のロンドン、久しく鳴りを潜めていた“切り裂きジャック”の新たな犠牲者がでます。
同じ夜、小説家のH・G・ウェルズ(マクダウェル)は友人たちを自宅に招いていました。
遅れてやって来た医者のスティーヴンソン(ワーナー)が揃ったところでウェルズは彼らを地下室に案内します。
そこにあったのはウェルズが長年掛けて完成させたタイムマシン。
訝しがる友人たちを前にした彼は、まだ自分で実験する勇気がないものの理論的には正しいことを説明します。
その時、ウェルズ家を警察が訪れます。
この付近で切り裂きジャックの姿を見失ったため一軒ずつ家宅捜査をしていたのです。
警察がスティーヴンソンの鞄を開けてみると中から出てきたのは血まみれのメスと手袋。
急いで警察が邸内を捜しますがスティーヴンソンの姿は見えません。
友人たちと警察が帰った後、もしやと思ったウェルズが地下室を見に行くとタイムマシンは消えていました。
ところが、悔やむウェルズの目前で自動操縦で戻ってきたタイムマシンが実体化。
操縦席のパネルを見たウェルズはスティーヴンソンが1979年の未来へ逃亡したことを知ります。
責任を感じた彼はスティーヴンソンを追って1979年へ向かうのですが…。

脚本家として知られていたニコラス・メイヤーの監督デビュー作となったSF映画。
タイムマシンで逃げた切り裂きジャックを追いかけてH・G・ウェルズが86年後のサンフランシスコへ来てしまう…というストーリーです。
シャーロック・ホームズのパロディ「シャーロック・ホームズの素敵な挑戦」やエンタープライズ号が20世紀の地球へワープしてくるシリーズの異色作「スター・トレック4 故郷への長い道」などを書いているメイヤーらしい作品と言えそうです。

正直、プロットのアイデアだけで成り立っているような作品でしょう。
久しぶりに見直しましたが、初めてメガホンを取ったメイヤー監督の演出はイマイチです。
例えば、前半にサンフランシスコの町中でウェルズがスティーヴンソンを見つけて追いかけるシーンなどは上手い監督だともっと面白く撮れるはず。
クライマックス直前のカーチェイスも手慣れた監督だともっと盛り上がると思います。

ただし、メイヤーらしさの出た脚本は秀逸です。
ウェルズがマクドナルドをスコットランド料理店だと勘違い(Macで始まる名字はスコットランドやアイルランドに多い)したりする小ネタが特に絶妙。
本名を明かせないウェルズが咄嗟にシャーロック・ホームズと名乗ってしまって、一気に信用をなくすシーンも笑えます。
まさか80数年後までホームズの名前が知られているとはウェルズも思わなかったことでしょう (^^;;

自分の評価は★★★。
男女同権論者で社会主義者だったウェルズが、86年後の未来でみせる反応の1つ1つがネタや批判になっているのが面白いところ。
連続殺人犯の切り裂きジャックに『ここでは俺は殺しのアマチュアだ』と言わせるシーンもあったりします。
タイム・パラドックスには触れていませんし、ご都合主義な展開も目立ちますが、ロマンチックな冒険ファンタジーとして充分に楽しめる1本。
時代がかったミクロス・ローザの音楽も雰囲気を大いに盛り上げています。

マクダウェルもワーナーも好演していますが、個人的には何といってもメアリー・スティーンバージェン。
もし本作に出演していなければ、彼女が「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3」にキャスティングされることもなかったであろう…と自分は信じて疑いません (^^;;

ちなみにマルコム・マクダウェルとメアリー・スティーンバージェンは本作の共演が切っ掛けで結婚しました。
現代に来たウェルズが最初に話す少年は「スタンド・バイ・ミー」のコリー・フェルドマンのようです。

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