chapter2308:ロードゲーム

画像ロードゲーム(1981)
ROAD GAMES
監督:リチャード・フランクリン
出演:ステイシー・キーチ、ジェイミー・リー・カーティス、マリオン・エドワード


パット(キーチ)はボスウェルと名付けた相棒のディンゴ(野生の犬の一種)とオーストラリア各地を走っている中年のトラック・ドライバー。
メルボルンまでの荷物を届けてモーテルに入ろうとしたところ、一足違いで緑色のバンに先を越されて満室になってしまいます。
仕方なく路上に駐めたトラックの中でその夜は寝ることに。
翌朝5時に目覚めたパットがボスウェルを車から降ろしてやると、モーテルの前に出されたゴミ袋を漁ろうとします。
ふとモーテルに目をやったパットは昨夜のバンの運転手(グラント・ペイジ)がカーテンの影から外を窺っていることに気づきます。
どうやら彼はゴミ袋を破ろうとしているボスウェルを気にしている様子。
ちょうどやって来たゴミ収集車がゴミ袋を回収したのを見届けると安心したかのようにカーテンを引くのでした。
その後、パットは食肉工場で豚肉の詰まったコンテナを受け取るとパースへ向かいます。
しばらく走っていたパットは緑色のバンに追いつきますが、そのバンに運転者しかいないことに気づきます。
昨夜バンがモーテルに入った時には拾ったヒッチハイクの女性がいたはず。
ひょっとするとバンの運転手はラジオのニュースで言っていた、ヒッチハイクの女性を殺害している連続殺人犯ではないかと疑い始めるのでした。
殺人犯は死体をバラバラにして遺棄するのが特徴。
今朝、ゴミ袋を気にしていたのも昨夜モーテルで殺害した女性の一部が入っていたからではないか…と考えたパットはもう少しバンの様子を探ることにします。
するとバンの運転席の横には大きなクーラーボックスが詰まれていたのですが…。

「サイコ2」などで“第2のヒッチコック”と呼ばれながら2007年に58歳の若さで夭逝したリチャード・フランクリン監督のオーストラリア時代の作品。
「探偵マイク・ハマー」シリーズのステイシー・キーチと“絶叫クイーン”と呼ばれていた頃のジェイミー・リー・カーティスが出演していますが日本では劇場未公開だったようです。

基本的にはヒッチコック風のユーモラスなサスペンスです。
冒頭に緑色のバンの男が殺人犯だと思えるようなシーンが出てきますが、決して断定はしていません。
ところが、第三者的な視点で描かれるのはそのシーンだけ。
その後は主人公視点でストーリーが進行するので、本当に件の男性が殺人犯なのか、単なる主人公の妄想なのかがハッキリしないのです。
他にもロードムービー風だったり、色んな要素が組み合わさっているので、鑑賞中はまるで“奇妙な味”の小説を読んでいるような気分になりました。

カメラワークなどにはヒッチコックらしさはあまり感じられません。
しかし、離れた場所で会話している内容が聞こえなかったり、ちょっぴりブラックなユーモアが映画を支配している点などは明らかにヒッチコックを意識した作りです。
ヒッチコックが表紙になっている雑誌が出てきたり、ジェイミー・リー・カーティスは“ヒッチ”という愛称で呼ばれるなど、ヒッチコックへのオマージュも随所に出てきます。

自分の評価は★★★。
これも“積んでたDVD”の1本なのであまり期待せずに見始めたのですが、小品ながらも意外と楽しめました。
伏線の回収の仕方も面白いですし、ヒッチ好きなら見ておいて損はない1本だと思います。
「マッドマックス」シリーズのブライアン・メイ(クイーンのギタリストとは別人)の音楽も映画を盛り上げるのに一役買っています。

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