chapter1845:墓石と決闘

画像月曜ロードショー、1976年7~9月分の放映リスト。
(再)は再放送です。

7月5日「続・荒野の用心棒(再)」(1966)
 監督:セルジオ・コルブッチ、出演:フランコ・ネロ
7月12日「華麗なる殺人」(1965)
 監督:エリオ・ペトリ、出演:マルチェロ・マストロヤンニ
7月19日「危険な国から愛をこめて」(1970)
 監督:レスリー・H・マーティンソン、出演:ロザリンド・ラッセル
7月26日「西部悪人伝」(1970)
 監督:フランク・クレイマー、出演:リー・ヴァン・クリーフ
8月2日「華麗なる悪」(1969)
 監督:ジョン・ヒューストン、出演:ジョン・ハート
8月9日「南太平洋(再)」(1958)
 監督:ジョシュア・ローガン、出演:ロッサノ・ブラッツィ
8月16日「ラスト・ラン 殺しの一匹狼」(1971)
 監督:リチャード・フライシャー、出演:ジョージ・C・スコット
8月23日「大空のエース 父の戦い・子の戦い」(1973)
 監督:ビル・サンプソン、出演:クリフ・ロバートソン
8月30日「バイキング」(1958)
 監督:リチャード・フライシャー、出演:カーク・ダグラス
9月6日「墓石と決闘」(1967)
 監督:ジョン・スタージェス、出演:ジェームズ・ガーナー
9月13日「夏の嵐」(1954)
 監督:ルキノ・ヴィスコンティ、出演:アリダ・ヴァリ
9月20日「流れ者」(1970)
 監督:クロード・ルルーシュ、出演:ジャン・ルイ・トランティニャン
9月27日「暗くなるまでこの恋を」(1969)
 監督:フランソワ・トリュフォー、出演:ジャン・ポール・ベルモンド

DVD化されているのは「続・荒野の用心棒」「華麗なる殺人」「西部悪人伝」「南太平洋」「バイキング」「墓石と決闘」「夏の嵐」「暗くなるまでこの恋を」の8本です。


墓石と決闘(1967)
HOUR OF THE GUN
監督:ジョン・スタージェス
出演:ジェームズ・ガーナー、ジェイソン・ロバーズ、ロバート・ライアン


1881年10月26日、アリゾナ準州トゥームストーンの町で行われた“OK牧場の決闘”でワイアット・アープ(ガーナー)、ドク・ホリディ(ロバーズ)たちは殺人罪で起訴されます。
裁判でワイアットたちは全員が無罪になりますが、収まらないのは弟や友人を殺されたアイク・クラントン(ライアン)でした。
結果、ワイアットを支持するホレス(チャールズ・エイドマン)らトゥームストーンの住人とクラントン一家の対立は、ますます深まります。
町の保安官を決める選挙が実施されることになり、ワイアットの兄ヴァージル(フランク・コンヴァース)が立候補します。
息のかかったスペンス(マイケル・トーラン)を当選させたいクラントンはヴァージルを闇討ち。
足を撃たれたヴァージルに替わって弟のモーガン(サム・メルヴィル)が立候補して選挙が行われます。
選挙はモーガンが勝ちますが、クラントンの雇ったスティルウェル(ロバート・フィリップス)たちに撃ち殺されてしまいます。
スペンスが保安官に就任することになり、ホレスたちは自警団を組織してクラントンと徹底抗戦する構え。
しかし、ワイアットは法律に則った解決を主張するのですが…。

ジョン・スタージェス監督がバート・ランカスター、カーク・ダグラス主演の「OK牧場の決斗」から10年後に撮った後日談。
「OK牧場の決斗」のクライマックスから映画が始まりますし、続編と言っても差し支えない内容ですが、作品の雰囲気は全く違っています。
典型的な娯楽西部劇だった「OK牧場の決斗」を“動”とすれば、こちらは“静”でしょう。
主要人物に女性が1人も登場しないこともあって、かなり地味な仕上がりです。

『東部では法律は作られるが、ここでは買うもの』というクラントンのセリフが出てきますが、この映画のワイアット・アープはあくまでも法の下で決着をつけようとします。
復讐ではなく保安官としての任務を優先させ、弟を殺した犯人も射殺せずに逮捕する考えです。
何かと暴走しがちなドクを抑えていますし、銃で解決しようとするホレスたち町の住人にも釘を刺すほどでした。
ところが、実際に犯人を目の前にすると感情が先走り。
結果として個人的な復讐になってしまい、ワイアット・アープはジレンマを抱えることになります。

二枚目半的なイメージがあるジェームズ・ガーナーですが、今作ではコミカルな部分を封印。
ヒーローではなく、非常に人間臭いワイアット・アープを好演しています。
相棒のドク・ホリディを演じたジェイソン・ロバーズは、それ以上の好演で個人的に歴代ドク・ホリディのベストと思うほど。
ロバート・ライアンもアイク・クラントンのような悪役を演じると実に嵌りますね。

自分の評価は★★★★のお薦め。
アープとクラントンの対決を縦糸、アープとドクの友情を横糸にスタージェス監督が描いた“時代遅れの男たち”への挽歌でしょう。
派手さはありませんが、全編に緊迫感と詩情が溢れる秀作。
映画を盛り上げるジェリー・ゴールドスミスの音楽も見事です。
ちなみにこれがジョン・ヴォイトの映画デビュー作で、クラントンの雇ったならず者の1人を演じています。

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