chapter1640:ポゼッション

画像今年のプロ野球、パ・リーグはソフトバンクが優勝です。
ホークス・ファンの皆さん、おめでとうございます。

セ・リーグは虎が意地を見せてくれると良いのですが…。


ポゼッション(1981)
POSSESSION
監督:アンジェイ・ズラウスキー
出演:イザベル・アジャーニ、サム・ニール、ハインツ・ベネント


長期間の単身赴任を終え、マルク(ニール)は西ベルリンの自宅アパートへ帰ってきます。
ところが迎えた妻のアンナ(アジャーニ)は、よそよそしく夫の帰宅を喜んでいるようには見えません。
しかも、1人息子ボブ(ミシェル・ホーベン)の世話をすることなく、毎日どこかへ出掛けているようです。
やがてマルクは妻の友人マージ(マルギット・カルステンセン)から、アンナに不倫相手がいることを知らされます。
マルクが問い詰めたところ、逆効果となりアンナは家を出て行ってしまいます。
意を決したマルクはマージから電話番号を聞き出し、浮気相手のハインリッヒ(ベネント)を訪ねるのですが…。

アンジェイ・ワイダ監督の下で助監督をしていたアンジェイ・ズラウスキーがポーランドを離れ、当時の西ドイツで撮った不条理劇。
1981年のカンヌ映画祭でパルム・ドールにノミネートされ、アジャーニが主演女優賞を獲得しました。

カルト人気のあるズラウスキー監督ですが、自分はこれが初体験です。
この映画では手持ちカメラと固定カメラを上手く使い分けていて、カメラワークやアングルもユニーク。
個人的にかなり好みの演出をする監督でした。

さて、この映画、厳密にはホラーではないと思いますが、そこらのホラー映画よりも怖いです。
何と言っても、最大の見所はアジャーニの演技でしょう。
「アデルの恋の物語」「死への逃避行」「カミーユ・クローデル」などで彼女の狂ったような演技は見ていますが、この映画のアジャーニはそれらの比ではありません。
精神崩壊を起こして狂っていく人間って、こういう感じなのかなぁ…と思わせる凄さ (+_+)
特に“眼”の演技は半端ではないですね。
元が美人なだけ、完全に逝ってしまっているような眼が物凄く怖い。
相手役のサム・ニールもかなり逝った演技をしていますが、アジャーニが強烈すぎて印象が薄くなってしまいました (^^;;

正直、ストーリーは難解と言うか、訳が分からず意味不明です。
重要な伏線をいくつも放置したままで映画は終わってしまうのですから…。
善と悪に人格が分裂した人間の妄想だと思うのも良し、神と悪魔の対立がテーマと見るも良し、異星人に取り憑かれた人妻の話と解釈するも良し。
作者が用意しているであろう数多くのメタファを読み取って、何らかの批判映画として見ることも可能でしょう。
ありふれた結論を用意せず、『見たまま、感じたままでどうぞ』という突き放した感じが個人的には気に入っています。

「エクソシスト」のリンダ・ブレアのゲロ・シーンをさらに汚らしくしたようなシーンもあり、かなりグロテスク度は高いですね。
アジャーニ目当てで見てしまうと唖然とするに違いありません。
こんな映画を薦めると『こいつ変じゃね?』という誤解を招きそうですが、自分の評価は★★★★ (^^;;
映画はこうあるべき…という既成概念の一部を破壊されたような衝撃を受けた1本でした。

この記事へのコメント

HOSHIO
2010年09月27日 22:31
なつかしー。これ、テレビで何度か見ました。多分深夜枠だったと思いますが、かなりカットしてるんですかね?アジャーニは樋口可南子の100万倍頑張ってました。

そして、リッチマン・プアマンで初めて見たサム・ニールですが、これを見てからは何に出てもこの映画のイメージが・・・(-_-;)
タラララ
2010年09月28日 12:55
まさに深夜枠にピッタリの映画ですね (^^;;
正味2時間の映画なので、それなりにカットはされていたのではないでしょうか。

なぜ樋口可南子?
と思ったら、ああ「北斎漫画」ですね (^^;;
なるほど。

サム・ニールは同じ年に出演した成人ダミアンより数倍良かったです。